湖東国賠、警察の違法捜査を認定し賠償命令 検察の責任は認めず

判決を受けて支援者が集まる裁判所の門前でお礼を述べる西山美香さん(2025年7月17日 大津地裁前)
判決を受けて支援者が集まる裁判所の門前でお礼を述べる西山美香さん(2025年7月17日 大津地裁前)

滋賀・湖東記念病院国賠訴訟事件について、7月17日、大津地裁で判決が言い渡され、警察の責任を認め、滋賀県に賠償を命じる判決が出されました。一方、国に対する賠償請求は棄却されました。

事件は、2003年に滋賀県東近江市の湖東記念病院で患者が死亡した件で、当時看護助手だった西山美香さんが犯人とされ、懲役12年の有罪判決を受けたものです。服役後の再審で無罪判決が確定し、患者の死亡についても事件性が否定されました。西山さんは、 無罪確定後に国と県を相手に国家賠償請求訴訟を提起。警察官が西山さんの恋愛感情を利用して虚偽の自白をさせたことなど、違法な捜査がおこなわれたと主張し、警察官の違法な捜査に基づく検察の起訴も違法であるとして、国と県に対して約5500万円の賠償を求めていました。

池田聡介裁判長は、警察による取り調べの違法性を認定し、県に約3100万円の支払いを命じました。一方、国への請求は「相応の合理性がある」などとして退けました。

【追記】2025年7月22日 国民救援会は、判決を受けて声明を発表しました

【追記】2025年7月25日 県が控訴をしないと表明。違法捜査を認定し3100万円を命じた判決が確定へ。
西山さんは、被告・国の責任を認めなかった判決については、控訴してたたかう方針です。