■事件の概要
1999年、京都府園部町にある社会福祉法人・長生園で3000万円の不明金が発生し、職員の西岡廣子さんが横領したとして逮捕、起訴されました。ところが、裁判では、園の職員の証言がころころと変遷し、唯一の物的証拠とされた「入金台帳」についても不可解な書き換えがなされていたり、園のずさんな経理の実態が明らかになりました。
しかし、京都地裁(楢崎康英裁判長)は西岡さんに、懲役1年・執行猶予4年の不当な有罪判決を言い渡しました。園の職員らの「西岡さんにお金を渡した」「横領して帳簿を書き換えた」との証言を信用できないとしながら「帳簿の数字は被告人が書き換えたと推認できる」とし、警察官、検察官が作成した供述調書で西岡さんが書き換えを認めていることを根拠としています。この供述調書は長時間トイレにも行かせず、夫の出自、家族の勤務先、息子の縁談のことを持ち出し、混乱する西岡さんに警察が無理やり書かせたものです。判決では供述が任意になされたとし、脅しを認めず、「精神的に追い詰められたとは考えられない」などとして、西
岡さんの無実の主張は信用できないと断定しています。
また、検察が主張するが入金台帳の書き換えについての科学捜査研究所の筆跡鑑定は提出されていません。また、現金16万6770円から9万8880円の現金をどう抜き取ったのかの犯行態様が明らかになっていません。
不当にも、大阪高裁、最高裁も有罪判決となりました。この事件で長生園を解雇された西岡さんは、刑事裁判と同時に解雇撤回と名誉回復を求めて民事裁判もたたかいましたが、それも残念ながら敗訴。現在、再審申し立てを準備
準備中