福井女子中学生殺人事件で再審開始
福井市で1986年に発生した女子中学生殺害事件について、名古屋高裁金沢支部(山田耕司裁判長)は10月23日午前10時、犯人とされた前川彰司さん(59歳)の裁判をやり直す再審開始決定を出しました。前川さんは、殺人罪で懲役7年の判決を受けて服役し、出所後に再審請求をおこなっており、今回は第二次請求となっていました。
前川さんは、福井市の市営団地で留守番をしていた中学3年生の女子生徒を包丁で刺して殺害したとされています。しかし、前川さんと犯行を結びつける客観的な証拠は何もありませんでした。別の事件で逮捕されていた暴力団員が、減刑を目的に「血の付いた前川を見た」などと嘘の供述をおこない、捜査に行き詰まった警察・検察がこの暴力団員とその仲間の嘘の証言を利用し、事件を組み立てたものです。
前川さんは1987年3月に逮捕されて以来、一貫して無罪を主張し、一審は無罪判決が出されましたが二審で逆転有罪となり、第一次再審請求でも福井地裁で再審開始決定が出されましたが、高裁金沢支部で取り消されています。国民救援会は、再審開始決定を確定させるため、検察が異議申し立てできる期限の10月28日まで、検察庁に対して「再審開始決定に対して異議申し立てをするな」と要請をおこないます。
10月24日、国民救援会は同福井県本部、再審えん罪事件全国連絡会などとともに声明を発表しました