乳腺外科医師えん罪事件で、ふたたび無罪
東京高等裁判所第8刑事部は、2025年3月12日、乳腺外科医師えん罪事件の差し戻し控訴審で、検察側の控訴を棄却し、「外科医師は無罪」とした東京地裁の一審無罪判決を維持しました。

判決は(女性患者が)全身麻酔から覚醒時のせん妄状態に陥っていた可能性が十分にあり、性的幻覚を体験していた可能性が相応にあるとした一審判決に不合理な誤りはないとしました。
そして、手術前の触診や他の医師との打ち合わせの際に、関根さんの会話による飛沫や指先に付いたDNAが付いた可能性もあるという一審判断も不合理はないとしました。
さらに、「胸に付いた付着物のDNA量が多いため、胸をなめたことの証拠だ」とする検察の主張について、検察側証人が唾液自体にはDNA量はごく微量であると証言したことを挙げ、「DNA量が多かったとしても、口の中の細胞を含む唾液の飛沫が影響した可能性があり、DNA定量検査の結果自体が相当の変動幅があることから、DNA量から胸をなめたことを推認することはできないとした一審判断に誤りはない」として検察の控訴を棄却、関根さんを再び無罪としました。