2008年12月15日号
 
 
  東京・国公法弾圧堀越事件
盗撮ビデオ、開示せよ
国民救援会 高検へ強く求める

 社会保険庁職員の堀越明男さんが日本共産党のビラを配布したことが国家公務員法(政治活動禁止規定)に違反するとして弾圧された国公法弾圧堀越事件は、現在東京高裁で審理がすすんでいます。
 この事件では、公安警察が長期にわたって堀越さんを尾行し、ビデオで盗み撮りしたことが問題となっています。盗撮ビデオは33本あり、そのうちの9本が一審で開示されました。
 弁護団は高裁に対し、残りの全ビデオを開示するよう検察に対し命令を出すことを求めています。これに対し検察は6月30日付で高裁に意見書を提出、一審で開示した証拠が「救援新聞」やマスコミで報道されたことは、開示証拠を審理準備以外に使用することを禁止した「目的外使用」に当たるとして、開示を拒否しました。
 この問題で、国民救援会中央本部は12月1日、東京高裁と東京高検に赴き、すべての盗撮ビデオの証拠開示を求める要請を行いました。
 国民救援会は要請書で、開示証拠は公開の法廷で取調べが行われたもので、それにもとづく報道を「目的外使用」などということは論外の暴論であると厳しく批判し、このような理由を挙げること自体、証拠開示を拒む理由がないことを自ら暴露したものであると批判しています。そのうえで、高裁に対しては、検察に開示するよう命令を出すことを、高検に対しては、公の代表者にふさわしく、裁判所の勧告・命令等を待つまでもなく、未開示ビデオを自発的に開示するよう強く求めています。

 
  レッドパージ犠牲者の救済を
麻生首相に要請書

 1950年、日本共産党員であることだけの理由で不当に解雇された、レッドパージ犠牲者の人権救済申立てを受けた日本弁護士連合会は10月24日、政府と関係企業などに対し、「可及的速やかに、……名誉回復と補償を含む適切な処置を講ずるよう」勧告を出しました。
 この問題で、国民救援会は11月27日、政府がレッドパージ犠牲者の名誉回復と国家賠償要求を速やかに実現するために、誠意をもって対処することを強く求める要請書を麻生太郎首相に対し送付しました。
 日弁連の勧告書は、「このような人権への侵害は、いかなる状況下においても許されるものではないが、1952年平和条約発効後は、被害回復措置を容易に行うことができたにもかかわらず、これを放置してきたことの責任は重い」と政府の姿勢を厳しく批判しています。また、この申立てについての日弁連の調査報告書では、今日もなお職場において思想差別がなされていることについて言及され、「現在および将来にわたって思想差別がくり返されないためにも、過去の人権侵害に対してその侵害事実と責任を認め、救済をしていくことは極めて重要である」と述べられています。

 
  北海道・女性自衛官人権裁判
「セクハラ」は継続的と主張

 女性自衛官がセクハラを訴えている裁判が11月20日、札幌地裁で開かれました。
 弁護団は、女性自衛官に対するセクハラが偶発的なものではなく、継続的に起きていたなかでの事件であること、提訴したことに対する外出不許可や行事からの排除などのいやがらせは不法行為にあたることなどを主張。この中で、政府見解と異なる歴史認識の論文で更迭された田母神前空幕長が、自衛隊の隊内誌で「身内の恥は隠せ」と公言していたこと、浜松基地の空将補がセクハラで更迭されていたことなども取り上げ、主張を肉付けしました。
 報告集会では、原告のお礼の手紙が披露され、その中で、「こんな裁判の重圧から逃げ出したい! 裁判をやめてしまいたい!」という辛い気持ちも正直に記しながらも、「たくさんの方から署名をいただいて…私は一人じゃないと実感できます」と述べ、「私もいつか、サポートされる側から、サポートする側になりたいと思います」と抱負を語っています。(道本部)