2008年10月15日号
 
 
  東京・葛飾ビラ配布弾圧事件
最高裁全国要請行動に15都府県・15団体96人
社会常識を力に逆転無罪への突破口ひらこう

 「ビラを配る自由・受け取る自由は、国民の権利であり、社会常識だ」との声で最高裁を包囲しよう――マンションのドアポストにビラを配ったことで、荒川庸生さんが住居侵入罪として逮捕・起訴された東京・葛飾ビラ配布弾圧事件で、全労連、自由法曹団、国民救援会、ビラ配布の自由を守る会の呼びかけで、最高裁への全国要請行動と決起集会が9月25日に行われました。この行動には15都府県・15団体96人が参加し、逆転無罪を勝ちとり、ビラ配布の自由を守る決意を固めあいました。

 「全国民が注目している裁判です。市民常識が活かされる判決をしてください」
 荒川さんは要請に応対した書記官の正面に座ると、背筋を伸ばし、きっぱりと無罪判決を求めました。

ビラの配布を
犯罪にするな

 葛飾区内で住職を務める荒川さん。檀家のひとりが荒川さんに語りかけた言葉を紹介しました。「私の檀家さんは、『住職が配った共産党のビラには賛成しないけれど、住職がやった行為は犯罪ではない』と言ってくれました。この事件後も誰一人、檀家をやめる人はいませんでした。これが市民常識だということを裁判所は分かっていただきたい」
 要請では各団体や地域の代表からも、自らの経験にもとづいた発言が続きました。
 「ビラが必要かどうかは住民が判断すればいいことで、国が判断すべきものではない。ビラ配りを有罪とするのは、裁判官が普通の生活実態を知らないからだ」(労働組合代表)
 「有罪判決の影響で、京都の市長選では、ビラによる言論活動が萎縮した。自由な言論が抑圧されていることが投票率の低下にもつながっている」(京都)
 要請に合わせて、ビラ配布の自由を守る会の代表が、無罪判決を要請する団体署名119筆(累計1343団体)、個人署名5782筆(累計3万6083筆)を提出。また、全国から寄せられたひとことハガキも、これまでに2327通を裁判所に提出しました。

全力尽くして
悔いを残さず

 要請後、衆議院の議員会館で決起集会が開かれました。会場には日本共産党の笠井亮衆議院議員も駆けつけ、「自由なビラ配りが当たり前の社会にするようがんばろう」と連帯の挨拶を述べました。
 つづいて守る会の世話人でもある憲法学者の小沢隆一さんが「葛飾ビラ配布弾圧事件と憲法」と題して講演。小沢さんは、「表現の自由は、自由に対話ができるということ。対話の自由を保障することで、温和な社会につながる。民主主義は対話の積み重ねであり、市民の対話が基礎になっている。ビラは社会の健全さを守るものだということを、裁判所に認めさせよう」と語りました。
 各地の参加者からの決意表明(別項)につづき、荒川さんも決意を語りました。「最高裁ではいつ判決が出てもおかしくありません。悔いを残さないよう、全力で取り組んでいきたい」
 行動提起では、無罪を勝ちとるため、署名を大きく広げ、12月19日に行われる地元・葛飾での集会を成功させようと確認しました。

〈激励先〉〒124―0011 葛飾区四つ木5―2―12―202 平和センター ビラ配布の自由を守る会

 
  東京・沖田国賠
「納得いく判断を」
最高裁 口頭弁論で沖田さん

 東京・沖田国賠裁判の口頭弁論が9月29日、最高裁第2小法廷で開かれました。当日は約70人の支援者が駆けつけました。なお、傍聴希望者のなかには、私服警察官の姿も10人ほどみられました。
 事件は、99年、JR中央線の車内で、沖田光男さんが携帯電話を使用していた女性を注意したところ、これを逆恨みした女性が痴漢をデッチあげ、それをうのみにした警察・検察によって逮捕され、21日間勾留されたものです。不起訴になった沖田さんは、警察(東京都)、検察(国)、女性を相手に、国賠を提訴しました。一、二審は沖田さんの請求を棄却し、最高裁は沖田さんの上告に対し、国と都に対する訴えは退け、女性に対する訴えについて口頭弁論を開きました。
 弁論では、まず弁護団が弁論に立ち、客観的証拠を無視し、女性のウソの証言を絶対視した一、二審判決を破棄し、事実にもとづいた判断をするよう訴えました。
 つづいて、沖田さんが意見陳述し、「警察では、何度も罵倒され人権侵害を受けた。法廷で真実を述べると宣誓していながら、ウソを言う警察官を見て、信頼を失くした。裁判所は、真実に光をあて、正義を実現するところだと信じている。誰もが納得いく判断を」と訴えました。
 最後に、女性が陳述し、「痴漢したのはこの人に間違いない」と、沖田さんを「嘘つき」呼ばわりしました。女性は自分の言い分が客観的証拠と矛盾する点について、「(沖田さんが話を)後から作り上げたものだから、証拠と違っていて当たり前」などと居直りました。
 閉廷後、沖田さんは、「正義の司法実現のために全力で頑張る。10月には、国連にも訴えてくる」と決意を語りました。
 判決は、11月7日と決まりました。「ただす会」では、勝利判決めざし、署名の協力を全国に訴えています。
〈要請先〉〒102―8651 千代田区隼町4―2 最高裁第2小法廷・津野修裁判長

 
  愛媛・警察官不当配転国賠
県警の配転は違法
一審につづき二審も勝訴

 愛媛県警の「裏金」の実態を内部告発したところ、その直後配転をされたことは報復人事であり不当だとして、仙波敏郎巡査部長が訴えている国賠裁判の控訴審が9月30日、高松高裁で開かれました。矢延正平裁判長は、県に100万円の支払いを命じた一審判決を支持し、県(警察)の控訴を棄却しました。
 仙波巡査部長は、2005年、記者会見を開き、警察による「裏金」づくりの実態を、現職警察官として全国で初めて実名告発しました。その直後、県警が通信司令室を新たに設置し、そこに配置転換させられたものです。この問題では、県人事委員会、一審の松山地裁が、県警の不当性、違法性を認定しました。
 矢延裁判長は、配置転換は嫌がらせ・見せしめであり、違法であると断じました。しかし、一審判決が認めた配転などへの県警本部長の関与や記者会見の妨害については否定しました。