2008年7月15日号
 
 
  東京・国分寺ビラ配布弾圧事件
ビラ配布弾圧許すな
市議の議会報告を住居侵入罪で送検

 東京・国分寺市マンションビラ配布弾圧事件の不起訴をめざす運動が広がっています。
 事件は、5月18日、幸野おさむ日本共産党国分寺市議が市内のマンションの集合ポストに市議会報告ビラを配布していたところ、住民に「立川(自衛隊官舎ビラ事件)での判決を知っているだろう」と言われ、幸野市議は配布物を説明しましたが交番まで同行を求められ、さらに小金井警察署に不当に連行されました。6月に入り、「住居侵入罪」で送検されました。
 現場の集合ポストは、オートロックのドアの外側にあり、日常的に様々な営業用のビラや政党のビラが配布されています。しかも、配布していた市議会報告ビラは、市の予算で作成されたもので、市議会議員が住民にその活動を報告するための文書を配布することは当り前の行為です。
 地元では、国民救援会国分寺支部を中心に、東京地検八王子支部に対し、毎回20人ほどの参加で、繰り返し宣伝・要請行動にとりくみ、事件現場近くの国分寺駅頭で宣伝し、「マンションにビラを配って、なぜ犯罪でしょうか。知る権利・知らせる権利を守りましょう」と市民に訴えています。市民からは「なぜこんなことが犯罪になるの」と驚く声が寄せられました。7月5日には、葛飾ビラ配布弾圧事件の荒川庸生さんを迎えて、「ビラ配布、知る権利・知らせる権利を守る国分寺の会」を結成し、早期の不起訴を勝ちとろうと運動を強めています。
 〈不起訴要請先〉〒192―0046 八王子市明神町4―21―2 東京地検八王子支部

 
  千葉・ポスター弾圧
不起訴決定

 5月、千葉・市原市内で後期高齢者医療制度・議会報告会の案内ビラを電柱に貼ったとして、男性が警察官に不当に連行された八幡地域ポスター貼り弾圧事件で、男性の不起訴が決定しました。
 県本部では関係者と協力して「守る会」をつくり、抗議・不起訴要請行動をすすめ、短期間で全国から300もの団体署名が寄せられました。全国からのご支援ありがとうございました。

 
  東京・世田谷国公法弾圧事件
言論封殺にブレーキを
弁護団が最終弁論 宇治橋さんの無罪主張

 世田谷国公法弾圧事件の最終弁論が6月24日、東京地裁で行われました。判決は9月19日午後1時30分に指定されました。
 最終弁論は、午前10時から昼休みをはさんで午後4時まで行われました。弁護団ははじめに「言論・表現と公務員の政治活動の自由が守られるかどうか、この裁判の帰趨にかかっており、裁判所は権力の言論封殺にブレーキをかける役割がある」と強調し、11人の弁護士と宇治橋眞一さんが意見陳述(1面に掲載)を行いました。
 弁護団は、次のように公訴棄却と無罪を強く主張しました。
 @宇治橋さんのポスティングは憲法21条に保障された権利であり、政党機関紙の配布は民主主義にとって当然のことである。
 A宇治橋さんの職務内容は統計業務であって、「特定の党派に偏した事務処理」を生じる余地がない。
 B公務員であっても政治活動の自由は保障されねばならない。
 C公務員の政治活動禁止が憲法に違反しないとした最高裁の猿払判決は、憲法判断に誤りがあり、国家公務員法と人事院規則は占領下という異常な時代背景で押しつけられた、憲法違反の法律である。
 D日本も批准している国際人権規約にも違反しており、最高裁判決は変更されるべきである。
 E猿払事件が発生した郵政の職場が民営化され、政治活動が自由になっても問題がないことは、政治活動の禁止は根拠がなかったものである。
 F宇治橋さんの休日のビラ配布は、職場に何らの影響もなく、犯罪ではない。
 G建物の外の集合ポストにビラ配布した宇治橋さんの行為は「住居侵入」に当たらない。
 H世田谷署に連行し、国家公務員であることが分かってから逮捕したことを、現地で現行犯逮捕したとデッチ上げたことは違法であり、違法捜査で収集された証拠は排除されねばならない。
 最後に、宇治橋さんが陳述に立ち、「私の正当なビラ配布がなぜ『悪質』なのか。また国家公務員法でも政党に加入することは自由と認めており、24時間の政治的中立性は求められていない。裁判所は事実に基づき、ごまかしのない、憲法に則った判決をしてほしい」と力強く述べ、満席の傍聴席から大きな拍手が起こりました。
 公判後の報告集会では、弁護団の最終弁論は350ページの力作であり、あらゆる角度から宇治橋さんの無罪と違法捜査を明らかにしたと紹介され、弁護団の奮闘に感謝し、判決に向けて、署名・要請ハガキを集中しようと確認しました。

 
  取調べ可視化法案
衆院で審議せず廃案
国民救援会 引き続き実現求める

 密室での「自白」強要の取調べが、冤罪を生む大きな原因です。
 「自白」の強要を許さず、適正な取調べを行わせるために、取調べの全過程を録音・録画(可視化)することを義務付ける法案(民主党提出)が国会で審議されていましたが、国会閉会に伴い、同法案は6月20日、衆議院で審議未了のため廃案となりました。
 同法案は、参議院で民主、共産、社民の野党3党の賛成で可決され、衆議院に送られていましたが、審議に入らないまま廃案となりました。
 この法案に関しては、自民・公明が全過程の可視化に反対しました。他方、法案を提出した民主党自身も、参議院において、共産党などが求めていた、志布志事件や氷見事件などの冤罪犠牲者も呼んで取調べの実態や問題点について徹底して審議すべきだとの声を無視し、採決をしてしまいました。
 国民救援会はひきつづき取調べの全過程可視化の実現を求めていきます。当面、いま取り組んでいる日弁連の「可視化」実現を求める署名活動をすすめます。

 
  鳩山法相 4度目の死刑執行
国民救援会が抗議声明

 鳩山邦夫法務大臣は6月17日、死刑囚3人の死刑を執行し、10カ月で4回、計13人の死刑執行を行いました。国民救援会は翌18日、山田善二郎会長名で抗議声明を発表しました。
 声明では、昨年12月の国連総会において死刑執行の停止を求める初の決議が採択されるなど死刑執行停止への国際的世論が強まり、さらに日本の死刑執行に対し、国連から繰り返し、抗議とその停止を求められていることを指摘しています(具体的には、国連規約人権委員会で2度にわたり「死刑廃止に向けて努力すべきである」との勧告、昨年5月の国連拷問禁止委員会から死刑の執行を速やかに停止するべきことなどの勧告など)。
 そして、「死刑制度の存廃に関する国民的議論を尽くさないままに、現在の司法が治安強化の立場から安易な厳罰主義に傾斜して死刑判決が増加している」異常な現状を指摘し、「内外の厳しい批判に逆行する」4回目の死刑執行に強く抗議しています。