2008年2月5日号
 
 
  三重・名張毒ぶどう酒事件
奥西勝さん、獄中で82歳に
生きてかえせと各地で宣伝行動

 最高裁で再審を求めている三重・名張毒ぶどう酒事件、無実の死刑囚・奥西勝さん。奥西さんは1月14日、82歳の誕生日を名古屋拘置所で迎えました。誕生日を祝い、一日も早い再審開始を求め、各地で宣伝行動が行われました。2月21日には、名張事件・布川事件支援の1日行動も行われます。全国でとりくみましょう。

□三重
 お伊勢さんで

 1月14日、お伊勢さん(伊勢神宮)の内宮前の広場は各地からの観光バスや参拝客でごった返し、まだ正月が明け切らずという雰囲気のなか、門前町の「お祓い町」で宣伝・署名行動にとりくみました。
 県本部常任委員会と伊勢支部の合同のとりくみには9人が参加。カラーリーフとチラシを約200セット配布しました。年齢層を問わず意外と反応がよく、最高裁第3小法廷裁判官あての署名89筆を集めることができました。
 行動後、新年会を開き今年もスタート。
(県本部)

□愛知
 ケーキ≠ナ祝う

 1月14日、「奥西勝さん82歳誕生日記念宣伝行動」を名古屋駅前で行い、55人の参加でチラシをまき、署名にとりくみました。
 大きくデコレーションケーキが描かれた横断幕に、紙で作ったローソクを貼り付けてもらいます。「今日、奥西さんは一人ぼっちであの名古屋拘置所の中で誕生日を迎えました。ぜひ激励のローソクを立ててください」と訴えると、市民が次々とローソクを立て、あっという間に82本のローソクが立ち、その数が増えていきました。若い人たちも、たくさん協力してくれました。隙間を探してローソクを立て、用意していた150本がなくなりました。署名にも若い人たちが協力してくれ、「『がんばってください』と伝えて」と、小学生も協力してくれました。
 ローソクでいっぱいに埋まった横断幕の前で、「必ず救い出そう」とシュプレヒコールを行いました。当日は、127筆の署名が集まりました。
(県本部)

□茨城
 布川とともに

 布川事件をたたかう茨城でも1月14日、水戸駅前で宣伝を行いました。布川事件・桜井昌司さんをはじめ国民救援会県本部、水戸支部、那珂支部から9人が参加し、布川事件と名張毒ぶどう酒事件について、ハンドマイクで訴え、ビラ400枚を配布しました。
 茨城県本部では今後、県内5カ所で周防監督の『それでもボクはやってない』を上映し、布川事件をはじめ冤罪事件への理解と支援を広げることにしています。

□東京
 ティッシュ・ビラ

 駅頭宣伝を毎月行っている名張事件東京守る会は1月15日、地下鉄茅場町駅前で、8人で宣伝を行いました。今回は、ビラをポケットティッシュに折り込み、35分で500個を配りました。参加者は、「ティッシュということもあったのか、これまであまり受け取らなかったサラリーマンも受け取ってくれました」と感想を話していました。宣伝後には新年会を開き、再審開始にむけてがんばろうと乾杯しました。
 東京守る会では、最高裁でのたたかいを大きく広げようと、3月9日、有楽町で、「1日リレートーク宣伝」を予定しています。

□埼玉
 妨害はね返し

 国民救援会県本部と奥西さんを守る埼玉の会は1月15日、12人の参加で宣伝行動を行い、「奥西さんが生きて社会に帰れるよう力をかしてください」と訴えました。なお、当初、浦和駅前で宣伝しましたが、駅員やその後交番の警察官から妨害を受けました。その場で抗議し、市民からも「おかしい。この人たちは通行の邪魔にならないように訴えているだけだ」と声があがりました。(県版より)

□兵庫
 他事件と協力

 1月14日、成人式でにぎわう神戸市の繁華街で、奥西さんの82歳宣伝行動を、大きな横断幕をかかげて行いました。当日は、名張事件、東住吉事件、日野町事件の各支援者と県本部あわせて15人が参加しました。
 「冤罪は他人事ではありません。今日が奥西さんの誕生日で、今年こそは社会に帰ってこられるよう、全国で宣伝をしています」と支援を呼びかけました。今回は、いつもよりずっと多い、署名50筆とカンパ千円の協力が得られました。
(県本部)

▽名張事件・布川事件の再審開始をめざす1日行動
日 時 2月21日(木)
行 動 午前8時15分 最高裁前宣伝・要請、法務省要請、東京高裁前宣伝・要請、有楽町マリオン前宣伝
*統一ビラを、各都道府県本部に送付します。この行動に呼応し、全国で宣伝を行いましょう。

▽名張毒ぶどう酒事件全国現地調査
日 時 3月29日(土)午後1時30分〜30日(日)正午
内 容 1日目=アスピア1階多目的ホール(名張市商工会議所)で事件学習、2日目=現地調査、名張市勤労者福祉会館でまとめの集会
参加費 1万4000円

 
  長野・えん罪ひき逃げ事件
「塚田さんは無実」と弁護団
東京高裁 3月5日に判決日を指定

 長野・えん罪ひき逃げ事件の控訴審第1回公判が1月21日、東京高裁で開かれました。地元長野の30人を含め、支援者が傍聴席を埋めました。
 公判では、弁護団が控訴の趣意について、写真などを使いわかりやすく陳述。この事件は、2006年、長野市内で、酔って寝ていたとされる警察官が自宅付近でひき逃げされ死亡したもので、近くに住む塚田学さんが犯人として逮捕・起訴され、昨年8月、長野地裁で懲役2年の不当判決を受けたものです。
 弁護団は、@被害者は、寝ていて車体に巻き込まれたのではなく、立っていて車に衝突した、A塚田さんの車に被害者をひいた明確な物証はない、B塚田さんの車(ステップワゴン)は、左右のタイヤ間の幅が148センチ、地上から車底までの高さが13〜20センチほどと低く、身長170センチ、体重77キロ、肩幅41センチもある被害者がタイヤにひかれず、車体の下で回転したという検察の主張や地裁判決の判断は、物理法則を無視し、事実と証拠に目をつぶる非科学的なものであると指摘し、塚田さんの無罪を主張しました。
 そのうえで、現場道路での血痕の報告書、信州大学・奈倉教授の鑑定書などの書証、法医学や交通事故の鑑定者など3人の証人の取調べを請求しました。これに対し裁判所は、検察官が同意した報告書と奈倉鑑定のみ採用し、裁判の終結を宣言、3月5日に判決を言い渡すと述べました。弁護団が3人の鑑定者の採用を再度求めると、裁判所は「この事件は公判前整理手続が行われた事件であり、弁護側の立証は一審の結審前に提出しなければならず、やむを得ない事情が疎明できなければ証拠の提出はできない」と返答。弁護団は、「今回の鑑定は、地裁判決の誤りを明らかにするもの」であり、「やむを得ない事由がある」と再考を求め、裁判所も鑑定書を至急提出すれば弁論再開をするかどうか検討すると述べ、公判は終了しました。
 公判報告集会では、裁判所の弁護側申請証人の却下に抗議し、弁論再開を求めていく運動を急いで展開しようと確認し、塚田さんと父・與幸さんが支援を訴えました。
 なお、公判に先立ち、守る会と国民救援会長野県本部は裁判所前で宣伝を行い、署名(累計2千人分)と上申書を裁判所に提出し、公正な審理と無罪判決を求めて要請しました。
〈要請先〉〒100―8933 千代田区霞が関1―1―4 東京高裁・田中康郎裁判長

 
  東京・痴漢えん罪西武池袋線小林事件
小林さんの控訴棄却
東京高裁 有罪ありきの不当判決

 痴漢えん罪西武池袋線小林事件に対し、東京高裁は1月17日、一審判決(懲役1年10月)を支持し、小林さんの控訴を棄却する不当判決を言い渡しました。
 当日は、小林さんご家族、友人・知人など支援する会、国民救援会の人たちが傍聴に駆けつけました。
 判決は、一審判決が、犯人の顔もみてない被害者や、小林さんを逮捕した男性の曖昧な証言が「信用できる」として有罪にしたことを是認し、さらに小林さんが着ていたジャンパーをハーフコートと間違えて証言をしたことや、ジャンパーの色が違っていても犯人特定の証明力が減殺されたとはいえないなどと平然と述べています。また、弁護団による現場再現実験についても、実験は当時の状況とは違って単純化したもので非現実的だとして、「信用できない」と退けました。さらに事件当時、小林さんが膠原(こうげん)病の強皮症を患っており、専門医や担当医が「指を使った痴漢などは不可能」との証言や意見書についても、「診断の正確性に疑問」「人差し指は出来ないかもしれないが中指なら痴漢は出来る」などと、なにがなんでも有罪にしようとする不当な判決です。
 この事件は、裁判官と検察官の人事交流(判検交流)で東京地裁に来ていた検事が一審の裁判官を担当。有罪判決を出した3カ月後に東京地検に戻ったり、警察が繊維鑑定の採取方法を間違えて(隠ぺいした可能性も)、弁護団の追及で1年後に失敗したことを報告するなど、不公正な裁判が行われてきました。
 閉廷後、小林さんの家族は、「私たち家族が納得するような判決理由を聞かせてほしい」と約15分間にわたって法廷で裁判官に迫り、不当判決に抗議しました。
 判決報告集会で、小林さんとご家族は、最高裁のたたかいに向けて頑張る決意を述べ、支援を訴えました。
〈抗議先〉〒100―8933 千代田区霞が関1―1―4 東京高裁・阿部文洋裁判長

 
  東京・世田谷国公法弾圧事件
政治活動禁止は不合理
元郵産労委員長が証言

 厚生労働省職員の宇治橋眞一さんが世田谷区の警察官舎(池尻住宅)に日本共産党のビラを配布したことを住居侵入罪で逮捕され、国公法違反で起訴された世田谷国公法弾圧事件の第18回公判が1月16日、東京地裁で行われ、弁護側証人として市川正人・立命館大学法科大学院教授(憲法)と田中諭・元郵産労委員長が証言しました。
 市川教授は、マンションなどでのビラ配布は表現の自由と住民の知る権利を保障するものであり、ビラは費用がかからず、新聞・テレビが報道しない内容を伝えるものとその意義を強調。そして、ビラ配布でマンションの敷地等に入る場合、住民の管理権をどう考えるのかについて、@廊下などの共有部分は、正当な理由のある平穏な立ち入りであれば住居侵入は成立しない、Aビラ配布での立ち入りを拒否するためには、1人ではなく住民の総意と禁止の明示、またオートロックなど確実な執行が必要である、と指摘。池尻住宅は、「ビラ配布お断り」という掲示はあるが、一般的な警告であり、門扉に鍵もない等、宇治橋さんのビラ配布は住居侵入に当たらない、と証言。また、葛飾ビラ配布弾圧事件の二審有罪判決を批判しました。
 続いて、郵便局の集配業務に31年間従事し、全逓や郵産労の役員であった田中証人は、1970年代、全逓は選挙になると社会党を組合推薦候補として応援し、組合の指示で選挙活動を行ったこと、全郵政は民社党支持で500人入党運動を行っていたこと、しかし職場では政党や組合の違いで区別はなく、全員が協力して仕事をし、公務の中立性も侵されず、業務への影響もなかったと証言。郵政民営化に伴い政治活動の禁止がなくなったが、国会などどこからも問題視されることもなく、これは政治活動の禁止が不合理な規制であることを示すものと指摘、40年間の経験から政治活動をしたからといって公務はゆがめられることはない、と証言しました。

 
  栃木・足利事件
DNAの再鑑定と再審開始を求める

 菅家利和さんが幼女殺害事件の犯人とされ、被害者の下着に付着していた精液の「DNA型」と一致したと断定され、無期懲役が確定した足利事件。菅家さんは現在、千葉刑務所から再審(裁判のやり直し)を求めています。
 弁護団は、DNA鑑定の結果には重大な疑問があり、菅家さんと犯人のDNAは一致しない疑いがあるとの鑑定や、殺害方法は、菅家さんの「自白」のような手で首を絞めた扼殺(やくさつ)ではなく溺死だとする鑑定を提出してきました。また、裁判所に対し、「DNA型」の再鑑定を求めてきました。
 これまで鑑定人に対する尋問が行われ、菅家さんの無実が明らかになってきました。しかし、裁判所はDNAの再鑑定は実施せず、昨年、事実調べを終了しました。
 3月末までには決定がだされる状況もあります。菅家さんを守る会では、DNAの再鑑定を行い、再審開始を求めるハガキ要請・宣伝・裁判所要請を強めています。
〈要請先〉〒320―8505 宇都宮市小幡1―1―38 宇都宮地裁・池本寿美子裁判長